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「小柴少年」と「田中耕一研究員」
―今年のノーベル賞2人同時受賞に思うこと― |
ここ数年、十月になると必ずノーベル賞が話題となるようになりました。特に今年は、物理学賞を小柴東大名誉教授が、化学賞を島津製作所の田中耕一さんが同時に受賞するという、史上初めての快挙に日本中が話題騒然となりました。大変喜ばしいことだと思います。
ところで、いくつかの新聞記事を読みながら、このお二人の受賞は、今の、そしてこれからの日本の教育、知的財産制度、引いては政治に大きな問題を投げかけているのではないかということに気付きました。
小柴名誉教授は、中学校では全くの「悪ガキ」、校則破りの常習犯だったそうで、また大学に入ってからも、自ら「成績は良くないけれど、それほどバカじゃない」という推薦状を書き、ニヤニヤ笑う恩師の朝永博士に署名してもらい留学したそうです。戻ってきてからも、母校は研究者として迎え入れてくれました。
今は、内申書が大きく進学に影響し、偏差値で選別されてしまいます。果たして、「小柴少年」は東京大学まで進学できるでしょうか。また、今の大学に朝永博士のような行動を許す風土があるのでしょうか。
一方、田中耕一さんは、研究が好きで、自ら昇進を拒んでいるということが話題となりました。「仕事が面白いかどうかが重要で、面白い研究が続けられていることに満足している」と述べられています。小柴名誉教授も、「科学は面白さが原動力だ」と述べておられます。
効率を重視し短期的な成果を厳しく要求する企業が多くなりつつある中で、また制度不備のために企業研究者が成果を公開しにくい環境の中で、果たしてこれからも第二の「田中研究員」が登場するのでしょうか。島津製作所のマネジメントに敬服せざるを得ません。
また、今回の受賞では、浜松ホトニクスと島津製作所という、ユニークで技術力の高い企業が脚光を浴びました。我が国製造業の技術力の高さを物語るものだと思います。しかし、今や日本の製造業はどんどん空洞化しつつあります。
ちょうど、今国会で「知的財産基本法」が審議されました。私も質問を行いましたが、やはりこれからの日本は「知的財産立国」を目指し、第二、第三の「小柴少年」「田中研究員」を生み出し、国際競争力のある「知的財産」を生み出していかなければなりません。そのためにも、政治の役割・責任は非常に大きいと思います。
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